老後の住宅ローン返済
定年退職後も住宅ローンの返済が続いている場合です。早めに対応しないと、自宅を失ってしまうばかりではなく、自己破産に追い込まれる可能性まであります。近年テレビや新聞などで目にする老後破産というものです。
老後破産が増える理由
老後破産をする方の多くは、住宅ローンを 20 年以上支払ってきた方たちです。なぜ、20 年以上も住宅ローンを払って資産を築いたはずの人たちが破産に追い込まれているのでしょうか。それは、住宅ローンの仕組みにあります。
住宅ローンは「元利均等返済」といって、元金と金利を合計した返済額が毎月一定になるようなものになっています。この「元利均等」の住宅ローンでは、返済当初は金利の支払いが多いという特徴があります。
そのため、20 年間ローンを返済し続けても、借金が半分以上残っているケースもあります。また、退職金を前提に住宅ローンを組むことも一般的だったため、60 歳の定年後も 1 千万円以上の住宅ローンが残ってしまうことも珍しくありません。
そのため、勤務先の都合で退職金が削られてしまった場合、その分は貯金や年金から支払う必要があります。
老後資金を取り崩したり、年金から住宅ローンを払い続けるのは容易ではありません。このように、60 歳を超えても住宅ローンが多く残ってしまう場合、あらかじめどうやって返済していくかの計画を立てる必要があるのです。早めに準備をすることが老後破産をしないための重要なポイントになります。
老後の返済計画を立てる
定年後は住宅ローンの返済額が年金などの収入を上回ることがほとんどで、その場合は貯金がどんどん減ってしまうことになります。完済までの返済予定額を確認すると貯金 が無くなってしまうことが判明したというケースも少なくありません。
もらえる年金がいくらなのかは、年金事務所に問い合わせることで知ることができます。また、子供たちからの経済支援がある場合はそれも考慮するようにします。返済予定額は、現在の住宅ローン残高、金利、返済期間があれば簡単に出すことができます。
金融機関では返済予定表というものを発行しているため、手元にない場合はもらえるようにお願いしてみるのも一つです。
計画に含めておくべきことのひとつに生活コストの変動があります。一般的に、高齢になればなるほど医療費は多くかかりますので、この医療費の増加を計画に必ず盛り込むようにしましょう。また、医療保険に入っている方は、規約をもう一度確認し、どのような病気の場合はカバーされて、どのような病気はカバーされないのかも併せて確認するようにしましょう。
大事なのは問題を放置しないこと
定年後も住宅ローンを抱えている場合、一番大事なことはこの問題を放置しないことです。定年してすぐは貯金もあり、住宅ローン返済も問題なく行えている方も多いため危機感が沸かない方も多いですが、医療費の負担が増えても住宅ローンの完済ができるのかを忘れずに把握しておくことが重要です。
そして、このまま住宅ローンの返済を続けても、完済はできず、貯金を使い切ってしまうことが分かった場合は、早めの対応をすることで影響を最小限に抑えることができます。まずはどんなことでもかまいません、一度ご相談ください。
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